地方公務員災害補償基金 福岡県支部
【事例 36】
出勤のため、自宅の敷地内で転倒して、負傷した事例(通勤災害非該当)
○概要
 被災職員は、出勤のため、自宅の玄関を出て、自宅の門に至るまでの間に、自宅の敷地内で足を踏み外して転倒し、負傷したものである。
○説明
 本件災害は、以下の理由により、通勤による災害に該当しないと認定されたものである。
 地方公務員災害補償法における「通勤」とは、「職員が、勤務のため、住居と勤務場所との間の往復等の移動を、合理的な経路及び方法により行うこと(公務の性質を有するものを除く)」とされ、住居と勤務場所との往復の場合、移動の始点と終点は、それぞれ「住居」、「勤務場所」となるものであるが、通勤の始点・終点に係る境界については、原則として一般人の通行が自由に認められる地域であるか否かで判断することとなっており、住居の場合の境界は、一戸建住宅の場合は門を、アパート等においては戸外(自室のドア。オートロックのマンションにおいても同様)をその地点としているところである。
 本件において、被災職員が負傷したのは、始点である門の内側の住居の敷地内であって、一般人が自由に通行できる地域とは認められないものであるから、通勤の開始となる始点は、本人の住居と公道の境界と認められ、本件災害は未だ通勤が開始されていない住居内での災害であり、通勤による災害に該当しないものと認められる。

地方公務員災害補償基金 福岡県支部