地方公務員災害補償基金 福岡県支部
【事例 27】
ソフトバレーボールの試合において、アタックして着地した際に腰痛が発生した事例(公務外)
○概要
 被災職員(男性・26歳)は、ソフトバレ−ボ−ルの試合中、アタックして着地した際、体勢が不安定なまま両足で着地したため、腰を捻ったような感じになり、腰痛が発生し、直ちに医師の診察を受けたところ、「腰椎椎間板症」と診断されたものである。
 なお、レセプト調査によると、1〜2年に1度、腰椎椎間板症のため通院している。
 専門医の所見によると、MRI画像から黄色靭帯の肥厚は認められないが、腰椎5/仙骨間に椎間板の膨隆が認められ、これは災害発生時に生じたものではなく、災害発生前から存したものと認められる。
○説明
 本件災害は、以下の理由により、公務外の災害と認定されたものである。
 本件に係る医学的所見によると、MRI画像から黄色靭帯の肥厚は認められないが、腰椎5/仙骨間に椎間板の膨隆が認められ、これは災害発生時に生じたものではなく、災害発生前から存したものと認められる。
 災害発生状況をみると、本人は体勢が後方に沿った状態でスパイクし、体勢が不安定なまま両足で着地した時、腰に痛みを覚えたものであるが、当該動作はソフトバレーボール競技において、特段異常なものではなく、通常行い得る動作と認められ、他に転倒して腰部を強打した等腰部に強度の力が直接作用した事実も認められないことから、災害発生時の動作によって、本人の腰部に対して基礎疾患を急激に著しく増悪させ、腰痛等の症状発生に至らせる程の力が作用したものとは認められない。
 よって、本件の腰痛等の症状は、公務が相対的に有力な原因となって発生したものとは認められず、公務を単なる機会として発生したものと認められることから、公務との間に相当因果関係は認められず、「公務に起因することが明らかな疾病」(公務と相当因果関係をもって発生したことが明らかな疾病)とは認められない。

地方公務員災害補償基金 福岡県支部