地方公務員災害補償基金 福岡県支部
【事例 24】
後方から駆け寄ってきた子供を抱え上げた際に腰痛が発生した事例(公務上)
○概要
 保育士である被災職員(女性・24歳)は、保育室において登所してきた子供達の受け入れを行っていた際、後方から子供(体重約20kg)が駆け寄ってきたため、振り返って抱き上げたところ、腰部に痛みを感じた。痛みをかばいながら職務に従事していたが、夕方になると痛みが増悪したため病院に行ったところ、「腰部捻挫」と診断され、その後の治療により、約1ヶ月後に治ゆとされた。
 なお、本人の申立て及びレセプト調査によると、素因・基礎疾患はなしとされている。
○説明
 本件災害は、以下の理由により、公務上の災害と認定されたものである。
 本件に係る主治医の所見によると、X線写真及びMRI画像から、特に異常は認められない。
 災害発生状況をみると、本人は、後方から駆け寄ってきた体重約20kgの子供を振り返って抱き上げていることから、本人の腰部に対して、腰部内部組織の損傷による腰痛を生じさせるに足る強力な力が急激に作用したものと認められる。
 以上のことから、本件は、公務との相当因果関係が認められ、「公務上の負傷に起因する疾病」と認められる。

地方公務員災害補償基金 福岡県支部