地方公務員災害補償基金 福岡県支部
【事例 2】
消防士が救助作業中、崖崩れが発生し大量の土砂が擁壁を乗り越え、土砂の下敷きになり負傷した事例(公務上)
○概要
 本件災害は、県下に大雨洪水雷強風注意報が発令され、その後時間雨量50oを超す集中豪雨に変わった。
 当該状況下において、消防士である被災職員は、集中豪雨により崩れた崖の土砂に家屋が押し流され、土砂の中に生き埋めになった災害の救助に出動し、救助作業に従事していたところ、再び崖崩れが発生し、瞬く間に大量の土砂が擁壁上を滑るように越えて襲いかかり、瞬時にして土砂に飲み込まれ家屋と共に流され、負傷したもの。
○説明
 本件は、以下の理由により、公務上の災害と認定されたものである。
 原則として災害が天災地変による場合は、自己の職務遂行中であっても公務災害と認められないところであるが、天災地変による事故発生の危険性が著しく高い職務に従事している場合及び天災地変による罹災地へ当該罹災地以外の地域から出張した場合は公務上の災害と認められるところである。
 本件の場合、救急作業に従事していた土砂崩れの発生現場は、急傾斜地を背にしており、かつ、被災当時1時間あたり50oを超す雨量の集中豪雨であったことから、同一箇所で2次災害の土砂崩れという天災地変による事故発生の危険性が著しく高いと認められ、再度の土砂崩れによって負傷したものであるため、公務上の災害と認められる。

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